不定期に更新してしまう sea_is_back のブログです
~前振り~
サブスクリプションサービスについてものすごい嫌悪感を示す人が居て、そういうのを見る度に「それは違うだろ」と思うけど誰しも偏見はあるというか、そういう偏見こそが人間というか個性だとも思うのであまり強く言えないのが本当のところです。
そもそも僕自身Apple MusicだとかSpotifyを使っているものの、やっぱりなんかいまいち聴いてる感みたいなのが薄くて、選択肢は多いに越したことはないけど、CDで、というか歌詞カードを読みながら聴くという経験はすごく尊いものだなって改めて思います。
今回感想を書く3作は奇しくもサブスクリプションサービスでの配信が(今のところ)ない作品です。
知識や語彙がない人が、ある人に喰らいついていくには熱量しかないと思っているので熱のある感じでがんばります。
~本題~
上半期1番聴いていて且つ今のところ下半期も1番聴いているのは
・遅くなる帰還(アルバム名) / さよならポエジー(バンド名)
です。
びっくりしたんですけど前作から2年も経ってたんですね。その前作「前線に告ぐ」から知って、去年初めてライブも見て、このアルバムでいよいよもう僕の中での"めちゃくちゃ好きなバンド"となった気がします。
さよならポエジーはなんと言っても曲が良くて、演奏が良くて、詩が良くて、歌が良くて、声が良いです。まあ全部ですね、あと他になにか要るんでしょうか。
特に言葉の選び方が本当に美しくて、しょうもない言い回しとか"敢えて"なダサいフレーズとかが一切ないんですよ。
なので聞き慣れない言い回しとか表現も多いんですけど、でもそこで歌われていることは自身や友人のことだったりとすごく身近なことで。そのギャップが、すごく矛盾しているんですが洗練されているのに無骨というかプリミティブな感じがして、要はめちゃくちゃ格好良いんですよね。
あまり音源の話をしてるときにライブがどうこういうのはおかしいとは思うんですけど彼らのライブはその歪な美しさをより強く感じるのですごく好きです。
一生モノのバンドの一生モノの愛聴盤です。
・SUPERSALT / 呂布カルマ
呂布カルマさんについても曲が良くて、詩が良くて、歌が良くて、声が良いって本当に思います。そういう意味ではさよならポエジーとも近いなって感じています。
帯には「超塩対応」って書いてあるんですけど、こんなに優しく抱きしめられるみたいなアルバムありますかね。
ひたすらヤバいドープな音に乗せられて歌われていることは、自分の核になっている様なことからくっだらないことまで様々ですけど、ラスト2曲が特にすさまじくて一貫して音も詩も表現はとてもクールなはずなんですがその2曲は暖かく柔らかな印象で、このアルバムを聴き終わった後の背筋が伸びる読後感みたいなものをグッと引き上げてるなって思いました。
前述の通りこのタイトルには超塩対応という意味が含まれていて、そもそも呂布さんが「神対応」という言葉が嫌いで、「街で見かけた芸能人に声かけて「写真撮って下さい!」って言ったら快く応じられて最後握手してありがとうございました、で神対応って神を低く見積もり過ぎだろ」という違和感から来ているとのことで、そういう部分での怒りとか考え方にすごく共感するし知れば知るほどめちゃめちゃ良い人だと感じるのでこれからグングンハマって行きそうです。
・GO 2 THE NEW WORLD / 2
前作からわずか半年、そもそも結成から1年経ったか経たないか程で2ndフルアルバムをリリースというスピード感も去ることながら
急ごしらえの突貫工事なんてことは一切なく、前作を経たからこそな一段ギアが切り替わったみたいなバンドの変化、成長が感じられる1枚だったと思います。
一聴して最初に思ったのは「え?もうこの感じなの?はやくない?」みたいなもので、正直まだもっと勢いで押し切るというか、バンドで音を出す喜びとかに満ちたハイなそれこそ"初期衝動"に溢れたものを欲してしまっていたのですが、
そもそも一曲目から「初期衝動の殻から抜け出して/破壊と再生を繰り返して/君の元へ辿り着くまでは/物語が続いてく!」と歌っている様に完全に次のモードへ行ったことを自覚していて、前作以上に自分やあなたを歌うことに全力で聴けば聴くほど好きになっていきました。
あと余談ですけど僕はThe SALOVERSのラストアルバムに入っている「セイタカアワダチソウ」という曲が大好きで、セイタカアワダチソウってまわりの植物の成長を遅らせる物質を出す特徴があってそれをサラバーズと重ねてると解釈していて、いつしか幼馴染4人が一緒にいる為のバンドが4人を縛りつけるものになっていたから彼らは活動休止を選んだと思っているんですよ。
で、2の今作で「FALL FALL FALL」って曲があって別れた(失った)人を歌った(想った)様な曲になってるんですけど「少し肌寒い、ブタクサ運ぶ風に/くすぐられ、くしゃみして、鼻を擦っては、/遠くで僕の噂をしてるんだな、/なんて馬鹿な期待をしながら帰っています。」って一節があって、ブタクサってすごくセイタカアワダチソウに似てる植物なんですよ。
だからこれサラバーズのこと歌ってんじゃないかなって思っていて、好きなんですよね・・・(オタク)
以上です、他にも素晴らしい作品は幾つも出ていたのですがイマイチ聴き込めてなくて半端な感想書くくらいならまたの機会にしようと思ったのでこの3作にとどめて置きます。
これももっと書けるやろ、みたいな出来になりましたけどとりあえず書き上げたものを出す、というのも大事にしていきたいので。。。
最後に私事ですが(まあずっと私事ですけど)来る9月3日が24回目の誕生日なので当日お祝いのリプライ等を戴ければ幸いです。
それに長文で返すというのがここ数年の楽しみです、何卒よろしくお願いします。
おわりだよー(o・∇・o)
今年も良いCDが沢山でましたが旧譜を特に聴き込んだ印象がつよいのでそのCDを紹介したりしなかったりします
ubik / SuiseiNoboAz
ようやく魅力に気づきめちゃめちゃSuiseiNoboAzにハマったんですけどこのアルバムは本当にエグいですね。
3人編成でリリースされた3作のフルアルバムは1作1作大きくサウンドが異なるにも関わらず、歌われていることは3作とも一貫していて、ずっとおんなじこと歌ってるんですけど曲によってむちゃくちゃ笑えたりとてつもなく泣けたりするので本当に不思議なバンドだなと思います。
加えてボアズの演奏はすごくマッチョでハードなんですけど、今作は全然汗臭さみたいなものがなくてそれどころか涼風が吹き抜けてくみたいな感じすらあって、このアルバムの突き抜け方はヤバイです。
白眉はなんといっても11曲目「elephant you」。石原節全開なハードボイルドかつユーモラスな世界観の詩に、ゆるやかに展開していくロマンチックなサウンドが合わさり完全に最強の名曲です。
この後一気にメンバー2人脱退など色々あるんですが、新たに4人体制となりリリースされた最新作Liquid Rainbowはubikから地続きなサウンドをしていてこれがまた最高なので是非あわせて聴いていただきたいなという思いで私はいっぱいです。是非。
ROCK / STAN
今年ドハマリしたバンドその2、7年程前に1曲だけ知り「超かっこいい!」となったもののその曲だけで特に掘らずに居たら解散してしまったバンド。7年越しでハマるという失態。
その1曲というのが今作に収録されていて先行シングルとしてもリリースされている「THE FIRE」という曲なんですが、もうド頭の「生まれたからには死ぬまで生きろ」のクソ最高なパンチラインから名言の応酬がえげつないです。
前述のボアズもそうですがSTANも色々と過剰なので格好いいのと同時にお笑い的な意味での面白さが凄いんですけど、「めっちゃふざけてるなあ 馬鹿だなあ」で終わらない凄まじい情熱も同時に感じるですよ。これ中々できることではないと思います。
特に好きなのは「タイガーアイ」という曲でこれも言葉のチョイスはすごくユーモラスだけど歌われている事はすごく切実で真っ直ぐで、シンプルなバンドサウンドが非常にマッチしていて美しいんですよ。
ほかにも「Virginia sky, Endless stardust & Darlin'」ってアルバムがあって、これが同名の新曲1曲に加え、ライブ音源をスタジオで再ミックスした10曲が入ってるというなんだか変則的なベストアルバム的作品なんですけど、これがもう最強にかっこいいので初めての方にも是非と言った感じですが廃盤っぽいのでなんかオークションとかディスクユニオン的なところとかで探してください。
僕からは以上!!